日本語変換ソフトウェアATOKの開発企業ジャストシステムは、手放しで大好きな会社です。
本社が四国徳島にある、というだけでなんだか応援したくなるじゃないですか。ATOKは日本全国にユーザがいるだろうに、ジャストシステムは創業以来ずっと地方企業なんですよ! そのあたりも好きなところです。
利潤を得るためではなく、会社をサポートするつもりで株買おうかと思ったこともあるぐらいです。めんどくさいので買ってないですけど(ジャストシステムの人ごめんなさい)。
わたしのコンピュータ利用は、いつだってATOKとともにありました。日本語入力はATOKに尽きる、と思い続けてきたし、今でもそう思っています。
でもね、今後はきついだろうな、と思っていたんです。
いや、敵がMicrosoft-IMEであるかぎり、ATOKの優位は続くと思うんですけど、「ウェブ検索に使われた語彙をもちいてオンラインで変換する」というコロンブスの卵的発想を実現したGoogle日本語入力が出てきたんです。これを見たときに、「ああ、ジャストシステムやばいかも」と直感的に思いました。
わたしはATOK大好きジャストシステム大好きですから、Windowsでも変わらずATOKを使ってますけど、試用したとき、Google日本語入力はかなりイイと思いました。
なにより、「予測変換」が可能なのは大きいですよね。
「こう」と入力すれば「工場」とか「高校」とか「こういう」とか……いろんな候補を出してくれる。携帯電話の漢字変換では当たり前ですが、Microsoft-IMEにもATOKにもこの機能はありません。
また、ウェブ語彙に強いのも特徴のひとつで、「わろ」と入れると「ワロス」とか「ワロタ」とか、ウェブ・オリジンな単語を候補にあげてくれます。
決定的なのは、タダだってことです。Google日本語入力は誰でも簡単にインストールでき、その際の費用はいっさいかからない。ここは、ATOKにはひっくりがえっても太刀打ちできないところです。
ジャストシステムやばいかも、というのは、ソフトウェアをバージョンアップして売り続ける、というスタンスは、もうIT企業として古いんじゃないか、と思ったせいです。じっさい、わたしが使っているWindowsのソフトウェアで、お金を払って買っているのはATOK(一太郎)だけ。それも数年に1度だけです。「ソフトを買う」ということ自体、とてもまれなことになっています。
Google日本語入力はタダですから、どうやったって勝てない。しかも、あっちは世界有数の大企業ですけど、こっちは四国徳島の地方企業です。企業としての体力もぜんぜんちがう。戦ってどっちが勝つかは目に見えていますし、戦う気でいるのはこっちだけで、向こうはこれで儲けようとしてないんだから勝負にすらならない。
ジャストシステムやばいかも、って思うでしょ?
でも最近、ジャストシステムは思ってたよりずっとしたたかなんだな、と知る事件がありました。
小学校に通う息子の授業参観に行ったんです。「パソコン室」という部屋に入って、自分が子どもだったころには受けられなかった授業を見ることになりました。「ねんがじょうをパソコンでかいてみよう」が授業内容でした。
その教材が――子供向けATOKと一太郎がセットになった「ジャストスマイル」だったんです。
こんなもんがあるとは全然知らなかった! これ、商売相手は教育機関、親方は日の丸ですよ。しかも、かなりの数をさばくことができる。こんなところに食い込んでるなんて思いもしませんでした。
Google日本語入力を標準の変換ソフトにして学校で使おう、という話には絶対にならないはずなんです。なぜなら、「ウェブ語彙」は制限がきかないから。
こういうところに入っていけるなら、もうしばらく安心かもな、と思いました。
……あれ? Linuxの話じゃないなこれ。
最後にひとつだけ。Google日本語入力にLinux版はまだありません。とはいえ、すでにMozcという名でオープンソース・プロジェクトがスタートしており、導入するのもそう難しくないみたいです。
Googleが近々リリースする(と去年から言っている)Chrome OSはUbuntuベースですから、たぶん日本語変換はMozcを使うことになると思います。
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Ubuntu installed on IBM ThinkPad X41(The Last IBM Model - SSD remodeled).
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