2010年11月30日火曜日

ウェブ・サービスを使う―DropboxとEvernote

 友人にいわせると、Ubuntu最大の欠点はカリビアンコムとかdmmとかのエロ・サービスが楽しめないことだそうで。
 なるほど一理ありますが、そのせいかどうか、Ubuntuにはデフォルトの状態でBittorentクライアントがインストールされています。カリビアンコムの正門からは入れないけど、裏口からなら入り放題、ってなところでしょうか。
 
 それにしても、なんでこんなもんデフォルトで入れてるんでしょう? ちと謎です。P2Pネットワークはクライアント/サーバモデルではなくユーザどうしでつながるものだからLinux的だ、とでもいいたいのかな? たしかにそういう面がないではないけど、ちょっとムリヤリだよなあ。

 カリビアンコムのサービスは対応してなくたっていいんですけど、Windows環境で常用してるもので、Linuxでもぜひ使いたいウェブ・サービスが2種ありました。

 ひとつはDropbox
 いわゆるオンライン・ストレージですが、ローカルのフォルダ(Linuxならディレクトリ)と、ウェブ上のストレージの同期を自動化してしまうサービスです。アップロード/ダウンロードの手間がいらないわけで、これは大した発明だと思います。おそらく技術的には難しいことをしてるわけじゃないと思うんですけど、このアイデアにはホント、敬服しました。

 幸いなことに、DropboxにはきちんとLinux用のクライアント・ソフトが用意されていました。ブラボー! 

(UbuntuもDropboxとよく似たUbuntu Oneと呼ばれるサービスを提供しています。でも、これはUbuntuどうしじゃないと同期が効かないので、わたしのようにUbuntuマシン1台のユーザにはあまり意味がありません)


 もうひとつ、Evernoteはどうしても使いたいと思っていました。
 Evernoteはローカルのソフトウェアに似たものがないので、使ったことのない人に便利さを伝えるのが難しいんですが、供給ベンダーは「脳の拡張」と呼んでいます。それは大げさだと思いますけど、似た部分はあるんじゃないかと思います。ウェブやら画像やらPDFやらメモやら、クライアント・ソフトに放り込んでおくだけで、勝手にウェブ上のストレージと同期してくれる。Dropboxと同様、今やEvernoteなしのコンピューティングは考えられなくなっています。

 以前はLinux版のEvernoteクライアントもあったらしいんですが、どういうわけか現在は供給されていません。
 でも安心。ここがLinuxのいいところです。有志が「Nevernote」という名のクローン・アプリを用意しており、そちらで対応することが可能でした。

 早速インストールしてみました。
 残念ながら、ちょっと使い物にならないな、というのが正直な感想です。

 これはNevernoteが悪いわけじゃありません。Javaで動いているためです。
 ご存じの方も多いと思いますけど、Javaは仮想環境をつくってその上でソフトウェアを動作させていますから、けっこうなマシンパワーを必要とします。非力なマシンでは起動するだけで相当な時間を要しますし、挙動も安定しない。いかにSSD化してチューンアップしてるとはいえ、マシンはThinkPad X41です。おのずと限界があります。

 Evernoteが使えないと困るなあ、と思っていたんですが、いろいろ調べてたら、ブラウザChromeの機能をもちいてウェブページをアプリ化する方法があることを知りました。

 参考にしたのはここです。
http://viva-ubuntu.com/?p=2984

 これ、すげえ便利! 独立したアプリとしてEvernoteのページが立ち上がりますから、クライアント・ソフトを使ってるのとほとんど変わりません。にもかかわらず、元がChromeですから動作も軽快。ちょっとした発見でした! 
 じつは、会社のWindowsXPマシンもEvernoteクライアントを動かすのはつらかったんです。Evenoteクライアントは、Javaによく似たMicrosoft .NETで構築されているから。
 現在は同じ方法でアプリ化して、サクサク使えるようになっています。

 Linuxで悩んでいたら、Windowsにも応用が利く妙案を得ました。
 Linuxには悩まされることも多いんですけど、悩んだら悩んだなりに、得るものがあるんですよね。

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Ubuntu installed on IBM ThinkPad X41(The Last IBM Model - SSD remodeled).

2010年11月29日月曜日

Ubuntuの「試してくれよ!」というメッセージ

Ubuntuの特徴――それはなんといっても、インストールがらくちんなことでしょう。

LinuxはWindowsよりずっと使いやすいOSだ、なんて語る人がたまにいるんですが、それはどうかな、と思っています。
すくなくとも、今日はじめてパソコンに向かい、OSを操りはじめる人にとって、どっちがわかりやすくて扱いやすいか、といったら断然Windowsだと思います。ソフトや周辺機器も充実してるし、初心者にも親切です。ついでにいえば、最新のWindows7もとても優れたOSだと思います。

でも、インストールだけは、WindowsよりUbuntuのほうが絶対にらくちん。
Windowsはインストールが終わるまでに、何度も何度も再起動しなければなりません。時間もずいぶんかかります。でも、Ubuntuのインストールに再起動はありませんし、時間だってかからない。ユーザ認証のためのコード入力とかもないですから、手間もたぶん、Windowsよりすくないと思います。

Ubuntuの特色はもうひとつ。
インストールが終われば、なんの設定もなくインターネット接続でき、動画や音楽などのマルチメディアもイケることです。
当たり前じゃないか、というなかれ。Linuxはかつて、このあたりの設定を手動でしてあげないと動かないOSだったんです。
「設定ファイル」という名のテキストファイルをいじって、PCのパーツをひとつひとつ認識させていく。モデムはこれ。サウンドカードはこれ。モニタはこれ。GUIのツールなんかほとんどありませんでしたから、エディタ上での作業が大半でした。

そのころに比べると、Ubuntuは本当に親切です。同じLinuxとは思えないぐらい。
インストールの解説もきわめてていねいです。
もちろん、トラブルが起こる機種もあるんでしょうけど、それは大なり小なりWindowsでもあることですよね。

さらに、UbuntuはUSBメモリにインストールして試すことができる。
PC本体にはインストールしないわけですから、常用しているWindows環境に手をつけずに、使用することができるんです。「試す」ことがすごく簡単になっているんですね。
「試してくれよ!」というメッセージなんだと思っています。


開かれたLinux。
それがUbuntuです。

でも、どんなにシュガーコーティングされ、食べやすそうに見えようと、LinuxはLinuxです。めんどくさいところはやっぱりめんどくさい。プラグ・アンド・プレイ(もしかして死語?)とはいかないところもけっこうあります。

そのあたり、楽しんでやれる人ならぜひ使ってほしいなあ、と思っています。

なんてったってタダ。これがでかいよ。

じつは、この「タダ」には深〜い意味があるんですが、それはこの後、おいおい書いていくつもりです。


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Ubuntu生活のはじまり

使わなくなっていたノートPCにUbuntu Linux10.10をインストールしました。
Ubuntuのある生活がスタートしたのです。

Linuxとの関わりは古く、はじめてインストールしたのはslackware Linuxのバージョン7でした。歴史だけなら10年以上あるんです、はい。

でも、常用したことはなかった。
Windowsとのデュアル・ブートではない、Linuxだけが動くマシンをもったのは、これがはじめてのことです。

とはいえ、当初からLinuxに重きがあったわけではありません。むしろメインは、使わなくなったノートPCの改造にあったんです。
昨今のネットブックと比肩しうる性能をもっているのに、日立製1.8インチハードディスクが遅すぎるせいでお払い箱にせざるを得ない悲しいマシン。

IBM ThinkPad X41。

激遅ディスクをSSDにかえれば、遅いと感じることもなくなります。
そのためにはちょっとした改造をほどこさなければなりませんが、当初はそれが目的でした。
要は、機械いじりして遊びたかったんです。

OSにはUbuntu Linuxを選択する、というのは決定事項でしたが、インストールしてそれっきりでもいいと思っていました。だってメインマシンはほかにあるんだし、そっちに満足してるし。ムリして古いマシンを使わなくたって、ねえ?

でも、どうしてですかね?
Ubuntuに必要な、いろんなめんどくさい設定――Windowsユーザからしたら絶対そうです――をしているうちに、「ああ、Linuxって楽しいなあ」と思えてきたんです。

改造しちまってから、X41がIBMのつくったThinkPadのラスト・モデルだと知って、愛着がわいたのも大きかった。なによりキーボードが調子いいんですね。打鍵がキモチいい。X41って、激遅ディスクを除けば素晴らしいマシンだったんだな、と実感できました。

使い続けてみよう、と思いました。
「Linuxに関わり続けるべし」という天の声も聞こえたような気がしたのです。すこし大げさですけど。

Ubuntuのある生活。

わたしの生活を、Ubuntuを通して見ていこう、と思いました。


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