2011年1月1日土曜日

カスタマイズ――無限への扉

新年あけましておめでとうございます。

今年はやりたいこと・やろうと思っていること・やらねばならないこと、たくさんあります。
なにもやらないよりはやったほうがいい。座して待つより走り出したほうがいい。
それは勿論なんですけれども、ときとして、やりすぎてしまうこともある。そのあたり、一種の慎重さも必要なのでしょう。

てなわけで、2011年1発目のテーマは、「やりすぎちまった男」です。

LinuxというOSの美点をひとつあげるとするなら、それは「限界がない」ということでしょう。
OSの隅の隅、カーネルの奥の奥まで仕様が公開されている――いわゆる「オープンソース」ですが、ユーザはそれを自由に、好き勝手にいじることを許されています。自分好みのOSを求めて、どこまでもカスタマイズできるんです。こと個人ユースにかぎるならば、LinuxならぬKurosonux(わたしのハンドルです)をつくったっていい。

とはいえ、誰にでも可能なことじゃありません。それができる技術をもった人はきわめてまれです。
かくいうわたしも「もってない」ほうで、公開されているソースコードなど見ても、なにが書かれているのかサッパリわかりません。

かつて一度だけ、カーネルのソースコードをダウンロードしてじっくり眺めたことがあります。
とはいえ、改変するためでも勉強するためでもありません。
わたしの職業は本づくりなのですが、その本のデザインに、コードの文字列を並べたらカッコいいだろうと思い、はてさてどのあたりを持ってくるべきか、けっこう時間をかけて吟味したのです。要するに字として並べてカッコいい文字列を探したので、意味なんざまるでわかっちゃいません。所詮、わたしにできるのはその程度です。
わかる人に言わせれば、Linuxカーネルというのはほんとに美しく書かれてるらしいんですが、そんな「美しさ」なんかわかるはずもない。

とはいえ、Linuxの「限界のなさ」は、ちょっと気を許していると、わたしのような門外漢さえ虜にしてしまいます。無限のカスタマイズへと誘う扉は、そこかしこに開いているんです。

昨年末、ちょっと時間があったもんで、いじりはじめてしまいました。

当初は、かっくいいアイコン・テーマFaenzaをインストールするだけのつもりでした。ところが、そのうちにどうしてもMac OSふうのドックCairo-Dockを入れたくなった。

入れましたよ。


わたしのマシンは老兵です。不必要な改変や装飾は、システムに大きな負担をかけ、老兵に酷な仕事を課すことになります。
そもそも、解像度1024X768の狭いデスクトップに、ドックなんか必要ないんだよ。

案の定、グラフィックボードが悲鳴をあげはじめました。
アプリケーションのウィンドウを閉じても、その残滓がモニタ上に残ってしまう。描画性能がついていけなくなってしまったんです。

わー、こりゃムリだわ、と思いました。
そこで元に戻せばいいようなもんの、ふと思う。

LinuxのGUI環境というのは、X Window Systemと呼ばれるひとつのアプリケーションです。Windowsのように、OS本体がGUIになっているわけじゃない。したがって、UbuntuデフォルトのGNOMEデスクトップは、別のものに取り替えることができます。

現在の環境はそのまま残しておいて、軽いウィンドウ・マネージャをインストールし、状況に応じて切り替えながら使えばいいじゃないか。そうすれば、デザインに凝った現在の環境と、軽快でストレスのない環境と、両方を手にすることができる!

そこでわたしがインストールしたのはLXDEです。軽量サクサク環境。
なかなかイイけど、今のままでは設定に苦労しそうだぞ……と考えたところでハタと気づきました。

あっ、ディスク容量!

さっそくdfコマンド。


わずかひと月まえ、この記事を書いていたときには20GB以上あった空き領域が、たったの8.6GBになってしまっています。使用率69%! 

ああそうだ、このマシンはあくまでライティング・マシンとして運用しようと思っていたのだ。老兵であるうえに、ディスク・スペースにも限りがあるんだよ。
スカッと忘れてた……。

もともと設定好き・環境構築好きなんですよね。
そうじゃなきゃ、Linuxを使おうなんて思わないのかもしれません。
とはいえ、Linuxのカスタマイズは自分で納得しないかぎり永遠に続いてしまう。カスタマイズ無限地獄です。

過ぎたるは及ばざるがごとし。やりすぎはよくねえよ。やるときゃ「自分の立ち位置(マシンパワー)を振り返る」程度の慎重さは必要だぜ。
昨年末、そんな教訓を得ることができました。

で、デザインに凝ったアイコン・テーマやドックはどうしたかって?
まったく使ってませんけど、システムには入ったままです。むろんLXDEも。


This Page is created on Ubuntu Linux 10.10.
Ubuntu installed on IBM ThinkPad X41(The Last IBM Model - SSD remodeled).

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